本の紹介『人は、なぜ他人を許せないのか?』(著・中野信子)

本の紹介

今日は、本のご紹介です。株式会社アスコムから出版されている、脳科学者の中野信子氏が書いた『人は、なぜ他人を許せないのか?』です。著者は、ワイドショーのコメンテーターなどとして、メディアにもよく登場される方なので、ご存じの方が多いのではないでしょうか。

カウンセラーとして、心理学と同様に脳科学に関する知識も非常に重要です。この本は初版が2020年1月29日とありますが、新型コロナ感染がここまで広がった現在に実にタイムリーな内容です。ぜひご一読されることをお勧めいたします。

この本のメインテーマは「正義中毒」です。前回の投稿に書いた「自粛警察」もそうですが、本人はあくまでも「正義」と思ってしている言動がいかに「中毒」化したものであるかを、著者の体験や脳科学の見地から分かりやすく書かれています。

自分の価値観で正しいと思えば、他人を攻撃する。しかも、匿名であればそれは尚更、激しいものになる。それをあまりにまっすぐとらえてしまうと、傷つくだけでは済まない事態となってしまいます。「誹謗中傷」という行動を正義化することの恐ろしさを、今の時代は真剣に見つめ直さなければならなくなっています。

誰かを「誹謗中傷」した人間を、別の人間が指摘する。それも度を超すとまた「誹謗中傷」となって悲劇を繰り返すことになりかねない、その負のスパイラルは、どこかで断たねばなりません。あくまでも冷静に、行き過ぎた「誹謗中傷」は処分されるべきでしょう。

「正義中毒」までいかなくても、周囲の行動が許せなくてフラストレーションが溜まってしまう方。逆に「正義中毒」と思われるような周囲の人々の標的となって苦しんでいる方。いずれの立場も理解でき、その軋轢を実感しました。カウンセラーを目指す方はとても参考になると思います。

人の行動というものは、ここまで環境に左右されやすいものであるのだと再認識させられます。人間が人間としての脳をもつ以上、感情や行動が正義の名の下にいかようにもうつろいやすいものであるということを考えさせられる、とても勉強になる一冊でした。

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